ただそれだけ













今、自分が何をしているかなんて改めて考えたいとも思わない。
ただこいつを、ツナを抱きしめたいと思ったから 抱きしめた。


「・・やま・・もと?」


ツナが目を開いて俺を見る。
ごめんな。でもな、これ以上止めらんねーんだ。
俺は器用じゃないからお前を傷つける事になるかもしれないけど
これだけは譲れないんだ。お前を好きだって事だけは


「なぁツナ・・・」
「・・・なに?」


首筋に顔を埋めて小さく呼びかけると
ツナは以外にも俺の背中を撫でながら返事をしてくれた。


「あのさ・・・俺はいつになったらツナの親友・・友達から脱出できるんだ?」
「え?」


本当は、この気持ちは押し殺してくつもりだった。
関係を崩すくらいなら、ずっと彼にとっての親友で居ようと。
そう決めたはずだったのに。
俺は、弱い。


でも、獄寺にお前をやる気はなくて
くだらない独占欲だって笑われるかもしれない。
けれど誰に笑われたって構わない、俺にはツナが居ればそれでいい。


「俺ツナが好きだよ、誰よりも好きだ」


きつく抱きしめて噛み付くように口付ければツナの体はびくりと強張り、優しく舌で唇をなぞってやれば小さく声が洩れる。
薄く開いた唇にそっと舌を差し入れ口腔を犯してやればゆっくりと、体から力が抜ける。


「ふ・・・ぁ・・」
「ツナ・・・好きだよ」
「や、まもと」


すがるように抱きつくツナが可愛くて、再びきつく抱きしめる。
もう一度深く口付けて
俺のことを忘れないように  深く、深く。


唇を離して、まっすぐ目を見て問おうとした言葉はツナによって消えた。
それは、とても喜ばしい返答で


「なぁツナ・・・俺は」
「・・もうとっくに、親友以上だよ・・・?」
「それって・・・」
「好きだよ、山本・・・・」


あのツナが、自ら俺の口元に口付けた。


「・・・俺も、好きだ」






それから二人して小さく笑い合って、もう一度口付けた。


お前が好きなんだ。


ただ、それだけ













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ウーン最後ツナが積極的。
20040816







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