いつもと同じ目覚まし音
いつもと同じパジャマ
いつもと同じ僕の部屋
ただ一つ違うのは・・・・・・
goodmorning....
僕の隣りに宇童さんが居る事だ。
しかも寝ているわけで・・・・
まず気付いた。朝食を作るのが僕の役目なのではないか。
起こさないようにそっと・・・・・
ミツルはそっとベッドを抜けキッチンに向かった。
「何作ろうかなぁ・・・第一宇童さんって朝どっち派なんだろ・・・」
うぅむ、と首を傾げながら冷蔵庫を覗く。
「ご飯炊いてないし・・・今日は洋食にするか・・・」
と、冷蔵庫からレタスとトマト、そしてきゅうりを取り出した。
慣れた手つきでレタスをちぎり、トマトときゅうりを切る。
一人暮らしをすると否が応にも料理は上達してしまう訳で…
ミツルにとっては少し複雑な気分だった。
トーストを焼き上げ、卵をスクランブルと目玉焼きにしてお皿に盛り付け
サラダにドレッシングをかける。
後は宇童さんを起こすのみ。
寝室に戻ったミツルはベッドの横から宇童の身体をゆする。
「宇童さん、宇童さん」
ミツルの呼びかけに小さくみじろぐものの起きる気配は無い。
ミツルはふぅ、と小さく溜息をつきもう一度声を掛ける。
「起きてくださいよ、朝飯冷めちゃいますから…」
「ん゛ー……」
手応えがあったのでミツルは小さく微笑んだ。
「ん……ミツル……?」
まぶしそうに宇童が片目を開く。
そんな宇童に起きましたか?と声を掛け顔を覗きこむ。
「朝飯できたんで食べましょう?洋食なんですけど……」
「ミツルが作ったものなら何でも食べる」
「そう、ですか……」
目が覚めたのか、はっきりとした口調で言葉を返す。
よくもまぁそんな歯の浮く台詞が言えるものだなぁと恥ずかしながらにミツルは思った。
「コーヒー淹れるんで先に戻ってますね」
と微笑み、部屋に戻ろうとしたところ宇童に呼び止められる。
「ミツル」
いつの間にベッドから抜けたのか、振り返るとすぐそこには宇童の姿があった。
何ですか?と言い切らないうちに抱きすくめられ、耳元で囁かれる。
「おはよう、ミツル」
始まりの大切な言葉を、ミツルは言い忘れている事に気がついた。
たった今宇童に思い出させられたから。
小さく笑ってミツルは
「おはようございます、宇童さん」
と、同じように耳元で囁いた。
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ミツル一人暮らしとか勝手に捏造しちゃったよ。どうすんの。死
20040901